私が心理学の勉強を始めた当初、正直「ポジティブ」という言葉には、なんだか押し付けられるような感じがあって、使用することにもためらいを感じていました。
たとえば苦しんでいる最中に「もっとポジティブに!」「前に進まなきゃ!」なんて言われたら、ちょっと距離を置きたくなる…そんな経験はありませんか?
実際、「ポジティブな人」と検索すると、「嫌い」「しんどい」なんて関連ワードが出てくることも。
これは、ポジティブという言葉が悩んでいる人を急かすイメージと結びついてしまうからかもしれません。
🌱 ポジティブ心理学が教えてくれること
ところがポジティブ心理学を学んでいくうちに、「ポジティブになる=頑張って手に入れる」ものではなく、
“幸福で快適に生きるためのスキル”を身に着けるための様々な試みなのだことなのだとわかってきます。
ポジティブ心理学には例えば、人助けして見たり、何かを求める前にとりあえず今ある現状に感謝してみたり、マインドフルネスをしてみたりと、一見無関係のように見え、それでいて取り組みやすい、私たちの脳の働きを上手に活用した様々なエビデンスベースの提案が用意されています。
なぜわざわざそんなことをしなければならないのかというと、なんと人の思考は放っておくとなんと80%もがネガティブ寄りに偏ると言われているからなのです。ネガティビティバイアスともよばれていますが、ポジティブはかなり形勢不利な立場にあり、先に述べた私たちがポジティブを敬遠しようとする傾向すらにも進化の過程で備わったバイアスの力がかかっていると考えられるからなのです。
これは、大昔厳しい環境の中で生き延びるために危険を敏感に察知する反応がDNAに刻まれた名残が影響していますが、差し迫った身の危険は減ったにもかかわらず、日々の大量の情報にさらされる現代社会では、私たちの脳を過剰に刺激させ、ストレスや不安の増加、心身の不調の原因となっているとされ、ポジティブに誘導するための意図的な試みが必要と考えられているのです。
🧠 脳はネガティブをため込みやすい
記憶の面から考えても、私たちがいかにネガティブな情報をいかにため込みやすいかということがわかります。
脳は危険を察知すると警報装置ともよばれる「偏桃体」が反応しますが、そのイベントの記憶を司る「海馬」は偏桃体に近接し、長期記憶の保管庫である「側頭葉」はそれらを取り囲む形で最短経路のネットワークを形成しています。
危機管理(ネガティブ)情報は私たちが生き延びるための私たちの最重要課題であったかということが想像できるのではないでしょうか。
つまり人は一度経験した嫌なことは楽しかった思い出よりも、強く記憶され、些細なきっかけでもよみがえりやすくできているのです。
そしてヘレンケラーの名言がそんな私たちの脳の傾向をまさに表現してくれています。
「幸せの扉が一つ閉まると、別の扉が開く。しかし、私たちは閉まった扉を長く見つめすぎて、自分たちために開かれた扉に気づかないことがある。」
💡 ポジティブ思考=脳の前頭前野を使うこと
一方で、ポジティブな思考は前頭前野(おでこのあたり)が活躍します。
ここは創造性や論理的思考を担う場所。
前頭前野を意識的に使うことは、発想を広げ、物事を新しい視点で見られるようにしてくれます。
つまり、ポジティブシンキングとはクリエイティブな脳の使い方の工夫なんです✨
変わらない現実と向き合う中でも、私たちは自分たちの思考や認知、行動を駆使することができれば自分の幸福度を40%はコントロールできるのだそうです。
🏃♀️ ポジティブは性格改造じゃない
「ポジティブになる」って、根性を鍛えたり、努力で取り組むものありません。
一見関係ないと思えても、日常の考え方や習慣に、ほんのちょっとした工夫をすることで思いもよらない変化をおよぼすことができます👌
ポジティブシンキングの効果はたくさんあります👇
✅ ストレス軽減
✅ うつ症状の予防
✅ 免疫力UP(風邪にも強くなる💪)
✅ 心臓病リスク低下
✅ 寿命が延びる
✅ ストレス下での対処力UP
まとめ🌸
ポジティブという言葉は、押し付けのスローガンではない。
自分の心と体を守り、より豊かに暮らすためのいわば思考や習慣のスキル。
ポジティブとネガティブはすでに不均衡、放っておくと脳はネガティブなイベントばかりをため込んでしまいがち。
意図的な介入は脳の前頭前野を使ったクリエィティブな創作活動!
無理のない程度に生活に取り入れるとメンタルヘルス以外にも様々な効果も期待できる。
参考サイト他
Negative Thinking vs. Positive Thinking. (2017, Jan 26). Retrieved August 6, 2025, from https://newyorkessays.com/essay-negative-thinking-vs-positive-thinking/
Machado L, Cantilino A. A systematic review of the neural correlates of positive emotions. Braz J Psychiatry. 2017 Apr-Jun;39(2):172-179. doi: 10.1590/1516-4446-2016-1988. Epub 2016 Nov 24. PMID: 27901215; PMCID: PMC7111451.
Lyubomirsky, S. (2007). The how of happiness: A scientific approach to getting the life you want. Penguin Press.